貯金するなら銀行は古い?貯金も投資行動だった?!

「定期預金」で「お金」は殖えません。

日本人が大好きな投資行動、それが「銀行預金」「郵便貯金」です。親の世代に「資産運用」についてアドバイスを求めると、ほぼ100%と言って良いほど「定期預金」「定期貯金」がすすめられます。読者の皆さんの多くも、現在1つ2つは組まれているのではないでしょうか。ところで、皆さんに、ここで1つ質問があります。あなたは「定期預金」「定期貯金」をされている理由を、合理的に説明できますか??

「祖父母が、親が、これが良いって言ったから」「普通預金で預けておくよりも、若干でも利率が良いから」おそらく、ほとんどがこのような回答になると思います。ここで、衝撃的な事実をお伝えいたします。現在の日本の利率で「定期預金」「定期貯金」をすることを、海外の人たちは「アンビリーバブル」だと思っています。分かりやすく言うと「なぜそんな行動を取るのか、意味がわからん」と。

この項の冒頭で、私はさらっと「投資行動」という言葉を使いました。「え! 定期預金、定期貯金って、投資なんですか?」皆さんの多くからはこういった反応が返ってくると思います。はい、立派な「投資」です。ある一定期間、定められた金額を金融機関に預け入れることで、契約期間終了後に利息をつけて返してもらう契約です。どうですか? このように説明されると、「投資」のように思えてきたでしょう。

有価証券、不動産、ファンド購入、投資プロジェクト参加とまったく同じ「投資活動」の1つの選択肢に過ぎません。では、なぜ現在の「定期預金」「定期貯金」が投資候補にはなり得ないのでしょうか??その理由は、致命的なほどの「運用利率」の低さです。

実は、親の世代が「定期預金」「定期貯金」をすすめてくるのにはちゃんとした理由があります。彼らが現役時代だった頃のそれは、今のものとは比較にならないほど有利な「金融商品」だったからです。バブル絶頂の1980年台後半、「定期預金」の金利は4%近くもあり、最高値では6%も記録しました。「利率6%」がどういう値かというと、100万円を預けた場合、12年後には2倍の200万円になっているほどの運用利率です。

また、郵便貯金の「定期貯金」はもっと強力で、バブル崩壊後の平成の時代に入ってからも、より長期に預け入れることで年率リターン7%、8%という時代がありました。私達の親の世代は、まさにこれを「体感」し、その衝撃が頭に焼き付いてしまっているのです。つまり、彼らにとって「定期預金」「定期貯金」をすすめるという行為はとても自然なことであり、また、彼らの常識からしたらそれが「正解」なのです。

銀行に定期預金、定期貯金をすることを選択肢から外すこと。

現在 「定期預金」「定期貯金」ともに、その運用利率は実質「0」のような状況です。私自身、生まれてから大人になるまで、金融機関に「お金」を預けて「殖える」という経験をしたことがなかったため、それらが運用されているという事実を認識していませんでした。私と同年代の皆さんの中にも、同じように感じられている方が多くいらっしゃると思います。

現在、大口300万円程度の「定期預金」の運用利率は、金融機関はどこであれ複利で「0.50%」程度です。300万円を1年間預けて、税引き前の利息で「15000円」を受け取る計算です。これを多いと見るか少ないと見るかは個人の自由ですが、私なら絶対にそんな「投資行動」はしません。「1年間」という期間をフィックスされてまで預ける「対価」としては、「0.50%」という運用利率はあまりに少なく話にならないからです。

*この原稿は、2016年1月29日、日銀政策委員会・金融政策決定会合で決定された「マイナス金利導入」発表前に執筆しました。

また、この程度の運用利率では「インフレ」に確実に負ける、という理由もあります。20年近く続く「デフレ」の時代を経験し、日本人は「インフレ=貨幣価値が下がること」を忘れてしまっています。アベノミクスが始まり「黒田バズーカ」という金融緩和が実施されている昨今、1年という期間の中で「0.5%」以上のインフレになる可能性は非常に高い確率であります。

実際に、約4年前の2011年10月31日1ドル=75.54円をつけた時代から見て、現在の1ドル=120円前後(2015年12月現在)を推移している状況は、対ドルベースで約40%も「日本円」の貨幣価値が下落したことを意味します。日本のように食品、日常製品、エネルギー、資源などの多くを輸入する国にとって、貨幣価値の下落は「物価」にもろに跳ね返ってきます。実質の「価値」は目減りしているにも関わらず、数字上の運用益だけで判断され税金まで引かれてしまう。


やはり、「定期預金」「定期貯金」という選択をする意味は、私には見出すことが出来ません。ちなみに、複利の「0.50%」という運用利率はどういうものかというご紹介を、この項の最後にしておきます。100万円を預けて運用した場合を考えると、運用で2倍の200万円になるまでに「1440年」かかるという天文学的な数字が出てきます。元本を2倍にするためには、「大化の改新」の時代から預けないといけません。嘘です!


「大化の改新」は西暦646年なので、もっと昔から預け始めていないと2016年現在で2倍に達しません。そうなってくると、もう、一族をかけた一子相伝の大プロジェクトを発動させることになります。この事実を見て頂くと、「定期預金」「定期貯金」がいかに無意味な「投資活動」かお分かり頂けると思います。実質「0」のこんな低利率で、金融機関に定期で預けるという「行動」をとるのは、世界広しといえど日本人くらいです。まず今後は、選択肢から外して頂くことをお勧めします。