「病み」は「予防」できる!心の健康を意識しよう。

大人になると「我慢」を覚えて、感情に蓋をしてしまう。

上司から言われた些細な一言。心がズキッとするも、ここは仕事と割り切って、作り笑いで大人として振る舞う。けれども、家に帰ってもその言葉が忘れられない。甘いスイーツをドカ食いして、一時的に気持ちはすっきりするものの、どこかモヤモヤベッドに入ると仕事のこと、上司のこと、放たれた言葉が意に反して蘇ってくる。「明日も朝早いんだから寝なきゃ」って思うんだけど、時間ばかりが過ぎていく。「社会人なんだから、これぐらい割り切ろう」って言い聞かせるけれど、モヤモヤ、悶々。でも忙しさを理由に、これぐらいと言い聞かせ、仕事もそつなくこなし、明るく振る舞う。


どこか違和感がするけれども、そのまま年月が過ぎたある日。部下がミスをした。気づかない部下に落ち度はあるけれども、カバーできる範囲のミスだった。でも、どこか気持ちが抑えられなくって、「なんでこんなこともできないの!?」と感情に任せて言ってしまっている自分に気づいた。大人になるにしたがい、我慢することを学びます周囲と円滑なコミュニケーションを築くために、感情を制御し、社会的に好ましい立ち居振る舞いを身につけます


けれども、当然ですが私たちには感情があります。感情を無視して過ごし続けると、あるとき我慢のバロメーターの限界量を超えて、怒りや悲しみとして好ましくない形で出ることにもなりかねませんある人は、怒りとして周囲に対して怒鳴る、暴言を吐く、ケンカを吹っかけるなどの行動をとり、ある人は悲しみとして涙を堪えられなくなってトイレで泣くなどの行動をとります


体の健康と同様に心の健康の「予防」の仕方を学びましょう!

感情のコントロールが利かないのは、精神的な未熟さではありません。1000ml の空のペットボトルに対して1300ml の水を入れようとしても、外側に溢れるのは当然のことなのです。それなのに入らないことに対してダメだと嘆き、自分を責めるのはナンセンスキャパシティを超えているなら、溢れ出るのは当たり前のことなのです。


今回の例は、怒りの放出で周囲と気まずくなる程度で済んでいますが、ストレスがさらに蓄積されると、自分の本当の気持ちがわからなくなる家から出られずに会社に行けなくなる何を言われても嬉しいとも悲しいとも感じなくなるなどの現象も起こり得ます。ストレスが慢性化することで、うつ症状や感情鈍麻(アレキシサイミア)などの反応も起こることがあり、精神的にも非常に不安定になります。


そうなる前に、対策するには予防の観点が大事です。インフルエンザにかからないようにするために、私たちはいくつかの対策をします。外出後は手洗いうがいをする、マスクをつける、体調が崩れかけたら栄養のあるものを食べて早く寝る。これらは自分の体験で学びえたというよりも、親からの教えや学校教育で何度も言い聞かされ、身につけた後天的な知識であり、経験です。


身体の健康を守るために、予防と対策をするように、こころに対しても予防と対策が欠かせません。「健康」という字は、「健」が体の健やかさを、「康」が心の安らかさを意味します。心と体の両面が健康で初めて、人間らしい生活ができるのです。体の健康を守る方法は教えられて育っていますが、こころの健康を守る方法を教わったことはありますか。心理学専攻の方や、セミナーで心理学系を受講したことのある方はご存知かもしれません。けれども、義務教育や親からのしつけの中で、学んだことはない方がほとんどです。


心の底から元気で自分らしく生きるには、こころの分野でも同様に予防が大切です。そこで、偽りの笑顔でぐっと堪え、制御が利かなくなる前に先手を打てるよう「こころの予防医学」を学びましょう。