住宅ローンを組む前に。マイホームを買うときは「未来の家計」を意識しよう

マイホーム予算は今の家計より未来の家計から算出する。

マイホームを持ちたいと思う理由はさまざまです。特にそこに思い入れが強ければ当然、こだわりも出てきます。家電のように何年かごとに買い替えをするなんてことが容易にできないと思えば、後悔しないように多少背伸びをしてでも気に入った家を実現したいと考えるのは無理のないことです。

この後悔したくないという思いとは別に、金銭感覚が麻痺することにも気をつけなければいけません


家を買うときには目にする金額も桁が違います。何千万円という数字を見慣れてくると、数十万円のオプションが大きな金額に感じなくなります。普段なら数万円の家電だって慎重に買い物する人が、家を買うときは数十万円、数百万円のオプションもいとも簡単に決断できる場面を何度も見てきました。


もし35 年返済する予定の住宅ローンの借入額を100万円増やすと、毎月の返済額はいくら増えると思いますか? わずかに3000円程度です。数千万円の話をしているときの毎月3000円はわずかな金額です。気にもならない水準ですし、「家計のやりくりで余裕に吸収できる範囲」に感じるかもしれません。

家を買うときは、余裕のある家計で住宅ローンを組むこと。

そして、家を買おうとするタイミングの家族構成を考えても、まだ子どもも小さくて家計に余裕があることが多いので、余計に多少の予算アップも許容できるように感じてしまいます。家は買っておしまいではありません。買ってからメンテナンスも必要ですし、固定資産税も発生します。そして何より、途中で逃げられない住宅ローンの返済も始まります。


今の家計なら余裕で支払える費用も、10 年後15 年後の家計でも大丈夫なのか? という視点でのチェックは、遅くとも購入の契約をする前までには必要です。将来の家計に明らかに無理が生じるか自信がないなら、予算を下げる必要があるかもしれません。この章で述べてきたように、教育費や老後資金も大きな金額になる支出です。家を買って送りたい生活が、常に家計的にギリギリな状態の生活なのか? それとももっと違った生活なのか?


未来の家計の状態をシミュレーションしてみて、自分たちが思い描く生活を送るためには適切なマイホームの予算がどの程度なのか、確認することをおすすめします。今はこういったシミュレーションをするためのライフプランソフトも、簡易的なものを含めてインターネットで検索するとたくさん出ています。ご自身でやるシミュレーションでは不安だということならファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。


ただ最近は住宅展示場でハウスメーカーの営業マンから、「ファイナンシャルプランナーの無料相談ができます」と紹介されて相談をした経験があるという方も増えています。無料相談だから質が悪いとは言いませんが、生命保険の営業マンが保険販売のきっかけとして無料相談をやっているケースが多くあります家を買っても大丈夫なように、保険の見直しをして家計に余裕をつくりましょうといった流れで保険の見直しにつなげることで、彼らの収益としていますもちろん無駄に入っている保険なら見直しも必要ですし、必要な保障なら加入する必要がありますが、保険の見直しありきの相談にならないように気をつけてください。


こういった無料相談をやってもらっても結局、「紹介したハウスメーカーの都合のいいように話をしているのではないか」と不安になって、有料でも見てほしいと相談に来られるケースも増えています。無料だから手を抜いているとは思いたくはありませんが、相談しても不安が解消されないなら、ぜひ、最初からしがらみのない相談相手を探されることをおすすめします。