自分の好きがわからない症候群を解説します!

キャリア相談を受けているとよく聞く言葉

「自分が何を好きなのかがわかりません」という言葉だ。私はその気持ちがよくわかる。

私も会社を辞める前、同じような気持ちを抱いていたからだ。だが、いまならその言葉が間違いであることもわかる。

その人は、自分が何を好きなのかが「わからない」のではない。自分が好きなことを「感じなくなった」だけなのだ。

つまり、好きはそこにあるのだ。心はしっかりと反応しているのだ。

ふと目や耳を向けたり、鼓動が速くなったり、ちょっとした思いがよぎったりしているのだ。

ただ、自分がその反応を感じなくなっているのだ。

私は専門学校講師、公認会計士、経営コンサルタントを経て、独立した。

独立するまでは、会社に勤めていた。会社を辞める直前、自分が何を好きなのかがわからなくなっていた。

だが、いまはわかる。私は歌が好きなのだ。

歌と仕事。

一見すると全く関係なさそうなのだが、私にとっては同じだった。

「私はプレゼンが好きなのだ」

私は、プレゼンをするのが好きなのだ。

プレゼンを聞くのも好きだが、何より好きなのは、プレゼンをすることなのだ。

ただこれでもまだ正確ではない。私は、与えられた資料でプレゼンをするのが好きなのではない。

自分でつくった資料で、演壇に立って、プレゼンをするのが好きなのだ。

もっと言えば、PowerPointやプロジェクターに頼るのではなく、アナログの資料でプレゼンをするのが好きなのだ。

究極的には、資料などなく、その場で浮かんだアイデアをホワイトボード(あるいは黒板)に

書き出しながらプレゼンするのが好きなのだ。

さらに複数人であたかもセッションのように革新的なアイデアを創出できたら最高だ。

聴衆も参加してくれたら嬉しい。うまく創発できたら、きっと涙が出るだろう。出てきたアイデアに対してではない。

アイデアが生まれてくる過程の神々しさに涙が出そうになるだろう。

私は、そのくらいプレゼンが好きなのだ。

何より、その時その場所でしか体験できない、即興的で創造的な一瞬を求めているのだ。

私は、会社を辞める直前、自分が何を好きなのかがわからなくなっていた。自分の好きを感じなくなっていた。

それは、自分で「つくる」手ごたえが失われていたからだ。その理由は一つ。

すべてが予定調和であることが求められていたからだ。

できて当たり前。できなければダメ。余計なことはしなくていい。

余計なことが何も起こらず、予定されたことが滞りなく完了すること。

それが私がやっていた仕事だった。即興的で創造的な一瞬に向かうことのない仕事。

そう。私は自分の歌を歌っていなかったのだ。