感情のコントロールができる子になるための子育てのヒント

エネルギッシュなものづくり

ものづくりは心穏やかに静かな時間を過ごすという印象がありますが、子どもたちのものづくりにおいてはいつもそうとは限りません。

五感で感じ取ったたくさんの感動や自分の感情の高まり、作りながらあふれてくいる新しいイメージなどを一気に放出するように、

とてもエネルギッシュです。子どもたちは小さな体で自分と素直に向き合いながら、

晴れやかな表情で全身を使って、無邪気にそして根気よくものづくりに向かいます。

そんな子どもたちを見ていると、一種の心のスポーツだと感じることがあります。

ものづくりは時に自分の心と向き合うとても孤独な時間です。

自分の心の中にあるものを形にしたいという思いは誰も助けてくれず、誰かが代わりにしてくれるものでもありません。

自分と向き合いながら、自分一人の力で生み出していく他ありません。

子どもたちは、ものづくりを通して自分と向き合うこの孤独な時間の中で大きく成長し、

まったく気付かないほど自然に自分とコミュニケーションをしていきます。

自分とのコミュニケーションは自分を理解するということです。

「自分のいいところはどんなところだろう」「自分の好きなことはこれ、好きな色はこの色」

「嫌いな色はこの色」「得意なことはこれだ」などと自分を掘り下げ見つめていき、

その中でしっかりとした自分の考えや意見が生まれ、自己主張を身につけていきます。

子どもたちは自分とコミュニケーションをしながら、他の誰でもない自分という一番頼れる「より所」を作っていくことができるのです。


最近の子どもたちを見る中で。

自分の気持ちがわからない、自分がどうしたいのかわからないから決められない、

といった子どもに出会うことが多くなってきました。

たとえば、今嬉しいのか悲しいのか、しんどいのか、どの色が好きなのか、嫌なことはなんなのか、それらが自分でわからないので、

どうしたらいいのかわからず困ってしまうといったことがあるのです。

もしかすると、今まで自分で考えなくても全部周りがしてくれていた環境にあったのかもしれません。

また、しっかりとした自分の思いやしたい気持ちはあっても、それが親や周りの人にどう思われるかということで不安になり、

自分の気持ちを押し殺す習慣の中で、自分の本当の気持ちがわからなくなってしまっているのかもしれません。

自分の気持ちを自分で理解し、自己主張することはとても大切なことです。ただ子どもにはいろいろなタイプの子がいて、

はっきりと目立つ自己主張をする子もいますし、静かに黙々と自己主張する子もいますので、

肝心なのはその子らしい方法で自分の感情と向き合い、理解し、自己主張することです。

自分と向き合い、自分の気持ちを理解し、自分らしく自己主張していく習慣がなければ、

今何を感じているのかがわからなくなってしまい、「嫌だな、これは悪いことだな」と思っていても、

ズルズルと周りに流されてしまうこともあります。

自分と向き合うコミュニケーション力を養い正しい自己主張を身につけることで、

周りに流されずにしっかりとした自分の意思を持って、

自分らしく自分の力で生きていくことができるのです。

しっかり自己主張ができる環境にある子どもは、感情をコントロールできるようになっていきます。

子どもはまだまだ自分の気持ちや感情をうまく言葉で伝えることができません。

「伝えたいことがあるのに伝えられない、誰もわかってくれない」そのモヤモヤした気持ちを思いっきり表現したり放出したりする機会がなく、

そのもどかしさから心に溜め込んだイライラをコントロールできずに爆発させ、大声をあげたり、攻撃的になってしまったりするのです。

中には、自己主張が強すぎてわがままを通そうとしたり、相手のことを考えずに自己中心な行動になったりしてしまう子もいます。

もしこの子どもたちに、自分と向き合いながら思いっきりエネルギーを放出できる環境と、

その中で自分とコミュニケーションを取りながら、正しい自己主張を身につける機会があれば、どんなに救われることでしょうか。

ものづくりで養われる自分とのコミュニケーション力は、その子らしい正しい自己主張と、感情をコントロールする力のバランスを整えていくのです。