プロが教える!ビールの知識あれこれ!

ビール造りを学ぶ

ブリューパブで開業しようと決意したあと、とにかく行動を始めました。

まずは、ビールの醸造技術を習得しなければ何も始まりません。

とはいえ、大阪の自宅から通える距離にあるクラフトビールの小規模メーカーには都合よく求人など出ていません。

それでも当たって砕けろで、人から人にご縁をつないでいただき、複数の小規模メーカーの方とお話しする機会をいただきました。

「ブリューパブで開業するためにビール造りを学びたいので、数年間だけ雇用してもらって製造の仕事をさせていただけませんか?」

今考えればなんて無茶な転職活動でしょうか。それでも皆さん親身に話を聞いてくださり、

どれだけ難しいことなのかアドバイスもたくさんいただきました。すでに、カフェチェーンの会社には退職する意思を伝えていて、

あとには引けないということもありましたが、ブリューパブで開業すると決意したことがすべてのモチベーションにつながって、

熱意だけで転職活動していたのを覚えています。

このころも人とのご縁を感じることがたくさんありました。

もともと狭い業界といえば狭い業界なので、人から人にご縁をつないでいただくと同じところに行きつくということがよくありました。

もともとクラフトビールの業界にはなんのつながりもなかったので、家族の紹介で酒販店の方にお話を伺ったり、

自分が飲みに行くビアパブのオーナーさんに紹介していただいたり、とにかくお話を聞いてくださる方にお会いするしかありませんでした。

結局スムーズに転職ができたわけではありませんでしたが、クラフトビールを販売するイベントのお手伝いをする機会を

いただいたことがきっかけで、大阪府高槻市にある「寿酒造」という会社で働けることになりました。

200 年続く日本酒の酒蔵で、「國乃長」の名前で日本酒とビールの製造をしている会社です。

運よくクラフトビールの小規模メーカーに転職することができた

数年という期間限定での雇用についても理解してくださり、ビールの製造業務も比較的すぐに経験を積ませてもらえました。

寿酒造の製造部は少数精鋭のおもしろい体制で、ビールの製造と日本酒の製造を同じメンバーで行っていました。

夏場にはビールを、冬場には日本酒を造ります。ビールだけでなく日本酒の製造業務も経験できたことが

予想外に良い経験だったと今は感じています。同じ醸造酒でもたくさんの違いがあるビールと日本酒。

特に日本酒の伝統や技術の奥深さに触れて、製造業のプロフェッショナリズムを学んだと思います。

初めての製造業で、それまでの飲食業の感覚とも全く違い、日々新しい経験、勉強です。

クラフトビールの製造方法について学び、それがどのように製品化されて流通し販売されていくのか。

実際の製造業務を経験することで、コストがかかる部分やクオリティに関わる部分を理解できるようになり、

ブリューパブで開業する場合のシミュレーションも、より正確になっていきました。

丸2年間だけ働かせてもらい、短い期間でビール醸造家としてどこまでスペシャリストになれたかはわかりませんが、

寿酒造での経験を活かしてブリューパブのスペシャリストになろうと思ったのです。