センスは誰にでもある、〇〇〇がないだけ!~陰陽師のコラム~

ニューヨークにビル・カニンガムという80歳を過ぎたおじいさんがいました。

とても有名な人で、彼を主人公にしたドキュメンタリー映画もあります。

ビルは街中を普通に歩いている一般の人たちの服を何十年も撮り続けているアマチュア・カメラマンなのです。

彼はニューヨーク・タイムズ紙のコラムを担当していて、長年にわたり彼の写真が掲載されています。

そんなキャリアを持っているのに、彼はプロのカメラマンではありません。

そしてファッション評論家でもなく、ただ街に繰り出して、ビルがいいと思う服を着る人をずっと撮り続けているのです。

一言でいうと、変わり者なわけです。それで報酬をもらっているかどうかは不明です。

本人はあまり、金銭を受け取りたくないらしいのです。

彼は純粋に洋服が好きで、興味があるのは、着ている本人が自腹で買った服のみ。

スタイリストが選んだ借り物を着ている女優さんは撮らないといいます。こだわりがあるんですね。

そして、自分はいつも作業着の上っ張り(本人がそう呼んでいる)を着て、住むところも、食べるものも質素。

移動はちゃりんこ。それでも毎日とても幸せそうです。

本当にファッションが好きで、それ以外のことはどうでもいいといった様子です。

彼はそのドキュメンタリーの中で、センスについてのインタビューを受けていました。

そしてこう言います。

『誰でも、センスはある。ただ勇気がないんだ』

誰にでもセンスはある。肝心なのは、それを表現したいか、表現する勇気があるか。

どうもそこに彼が被写体を選ぶ一線がありそうです。

出典:『ビル・カニンガム&ニューヨーク』DVD Happinet リチャード・プレス監督

2014年2月4日